NHKハイビジョン特集 ~丸竹夷にない小路~
東西南北の通りで囲まれた京都の町には、独特の雰囲気をもつ小路がいくすじもある。
水を打った狭い石畳の路地の入り口に十数軒の表札が掛かる細い道だ。
京都の“ミステリーゾーン”ともいえる「辻子(づし)」や「突き抜け」と呼ばれる毛細血管のような道は、120もあるといわれる。京都の町の中心部の最もディープな空間にカメラが入り、京都庶民の暮らし、町家文化の知られざる粋を描く。
【出演】甲本雅裕、田畑智子
町家を再生する『物好きオタク』(^^ゞ
ナレーション(以下N)「京都の町中を歩いているとポッカリと口をあけた狭い路地の入口をぎょーさん見かけると思うんですけど、よそからきはった人には、なんや敷居が高い感じがしてなかなか入っていきづらいいうこともあるかもしれまへん」
N「そやけど『いちげんさんお断り』と書いた路地はひとつもあらへんのです。入るか入らへんかは皆さんの好奇心次第ということになりますな」
荒木「左官屋さんが新築でやることっていうと玄関のタイルの下地を塗る位。だから新建材すすめるなじゃなくて、『お金かけても塗りましょうよ』という工務店が増えてくれるといいんですけどね~。ちょっと言いすぎですかね(笑)」
N「町家や路地を再生させるというのはある意味、好きやないと出来しまへん」
荒木「どうぞ中へお入り下さい。ここは町中なんですけど、子供さん3人いはるんですよ、で5人で住みたいということで、この吹き抜けを活かして住居用に改造しようというふうなんですよ」
荒木「ここはね、梁がきれいに残っているので、これを見せていこうと。ただ・・・そこに通し腕木があるでしょ。ここを部屋にするために腕木の下、削ったはるんですよ。これほんまはいけないことですよね」
京都の街並みを守るために
荒木「もともと町家というのは気をてらったものでなく通りでみんな外観をあわす、ここだったら表の間の2階がちょっと下ってますでしょ。軒のラインをあわせるために下げはったんやと思うんですよ」
(窓の外に足達君!)
荒木「このラインを近所で全部揃えるのがええ仕事。となり近所とみんな同じ、京都もみんな通りによってそうなってるんですよ。近所にあわせるのが町並み」
荒木「昔は、もともと各町内に大工さんがいて町内の家は町内の大工さんがやったはったんですよ。地元の業社さんがもっと町家の勉強をして一緒に町家を直してゆくというふうに出来ればいいんですけどね」
路地奥の住まいの改修
N「路地の改修ってどうですか?」
荒木「路地ってね、わりと大きな路地はいいですけど本当に狭いものもありますやん。大変ですよ。瓦降ろすのも車停めるところがないし、車前に置いておくと駐禁とられますしね」
N「路地はこれからどうなるのでしょう?」
荒木「家に行くためにくるっと廻らんとあかんとこも結構残ってますねぇ。再開発ができないので、誰も立ち退いてくれと言わない。だからずーとそこに住んだはるというのが、何軒もありますね」
荒木「コミュニティーが残っているところはいいんですけど残っていないところは、空家が増え、虫喰状態になり、もう崩れそうな家も増えてます。いったいどないするんかをちゃんと考えないとねぇ」
でも、なんと、年末にNHK総合でも放映していただける運びになり夢のよう。
足達くんも影絵のように窓際に映っていましたね♪