アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

職人今昔

9.畳(最終回)

 昔は町家の使い方の中で、畳建具が一体として規格化されていた。仕入物と言われる畳があり、古い畳が売買されていた。また、町中年一回学区ごと日を決めて一斉に衛生掃除が行われ、その時々に上敷きや表替、畳の裏返しなどがなされ、その仕事で畳屋さんも多くあったと思う。畳の一枚の値が高く、庶民は新畳をなかなか入替することができず(畳と何とかは新しい方が…)、上敷を畳の上に重ね鋲で押えたものである。昔は、殆どのお宅の部屋、居間は畳敷きが多かったが、今日では家に一室のみが畳という。これは大変さみしいし、そのことが畳の専門店が少なくなった原因とか。
 私の若い頃、家の近くにも畳屋さんがあり、店の表の間で長い針で糸も太く、針当てを付け、畳の縁(へり)の縫い付けを見入っていた。特に紋縁の縫い付けは大変で竪や横に生地を引張り、見ていて、縁と格闘しているようだが、最後に紋が同じ場所に納まっている。

施工マニュアル

 畳の大きさも2120×1060で厚さも100㎜の御所畳や、2000×1000の昔畳(高屋畳)、1910×955の京畳、1820×910の名古屋畳、1700×850の江戸間畳といろいろで、近年はリビングなどに使用する薄畳や800角位の畳ができている。日本人によく合い気候や湿度、建物に合う畳の生活が今もっと必要に思う。大工の良し悪しは畳屋さんが一番よく分かり、良い職人が作った家は四隅を計るだけで畳がスムーズに敷込むことができると聞いている。
 ※最後に、私が若い時に見聞きした事を書き並べたので専門業種の先達から見れば幼稚な事と思いましたが、今の時代、少し昔を思い出す事も良いのではと筆を取りました。

職人今昔 小画像
『全京都建設協同組合ニュース』H11年6月
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