6.京町家の再生
四条通り近くのO邸です。
元々の建物は明治30年頃の建物で、ここ10年近く空家になっていた建物です。
そのため、白蟻と雨漏りによる腐食であちこち大きく傷んでいる所があり、かなり手を入れるところがあります。又、お施主さんが施工参加という形で工事に関わって下さいます。掃除、塗装(紅ガラ塗り)、庭植栽工事、かたづけ、水洗いもしていただきました。『しんどくもあり楽しくもあり貴重な体験でした』、との事です。
それと、この工事にはいろいろな人達に参加していただいてます。
左官組合の学校の生徒さん、京都府の職業訓練校の建築設計インテリア科の皆さん、スミちゃんを始めとするお施主さんの友人の方々。そして当工事の設計事務所の担当の方など、本当に多くの方々にこの現場で力仕事のお手伝いをしていただきました。
ここに感謝と、お礼を申し上げます。本当に有難うございました。
第1回:現状説明
最初に、工事着工前の状態を確認いただきたいと思っています。
10年も空家だったために、相当傷んでいるのがわかると思います。
表部分です。ここは昔のままの感じが残っています。
玄関、台所はプリント合板で壁を張っています。
白く流れているのは雨のシミです。かなり雨漏りがありました。
雨漏りの原因はこの「火の見」です。屋根に上げ蓋式の出入り口があり、外が見えます。
お母屋~ハナレ間にある物干し場。床はコンクリートです。
トイレ棟です。大分いたんでいます。
離れの物入れです。雨で腐食して壁が崩れ落ちて、隣の石垣が見えています。また、床もブカブカで踏み抜きそうです。
お母屋はそれほどでもありませんが、中庭にあるトイレ、風呂場等が悪く、ハナレは更に悪い状態でした。
さて、どこから手をつけたらわからないような状態ですが、とりあえず傷んでいる所の解体から始めます。
次回は、解体作業です。おたのしみに