木摺壁のある京町家
路地奥に佇む3階建ての京町家です。
狭い路地を通って作業しなければならない環境でしたが、大工さん、左官屋さんだけでなく、さまざまな業者さんの協力で、立派に直す事が出来ました。
担当した大工さんは、三谷くんです。
京町家のリノベーション 1)施工

隣地一杯に建っている大きな町家です。棟が2つあり、1階で繋がっています。

まず内部解体をしたうえで、傷んだ構造を直していきます。左手に並トタンがみえていますが、この部分も張り替えていきます。

今回は隣地に接する妻壁を境界内に後退させなければならないため、布基礎を施工しています。

正面に見えるのが木摺下地です。プラスターボードを使わず、ほぼ全ての左官壁下地は木摺りになっています。

右手の柱が全て新しくなっています。妻壁を120mm室内側に後退させたため、既存側柱が使えなくなりました。

換気のための矢切をつけています。もともと和瓦でしたが、鈑金瓦に交換されることになりました。

取次正面の上部に取り付けています。落掛は2Fの吊床で使用されていたものを再利用しました。

大工の三谷くんが、材木店に見に行って選んだ材料です。自分が選んだのでやりがいがあります。

木摺り下地に荒壁土をつけています。ラスボードに比べて塗厚があるため工程も増えて乾燥に時間がかかります。
京町家のリノベーション 2)竣工
玄関の敷框は桜材。もともとあった材料を、削って再利用しました。タイルは四半敷です。
竿縁天井を撤去し、地桧無地羽目板張の勾配天井にしています。正面の腰壁の向こうがキッチン。階段手摺は杉小丸太材です。
お庭の4枚建具を、FIXの大きなガラス窓に替えています。
座敷と縁側を1部屋にし、開放感のある空間にしています。
あまり改修されていないようにみえますが、実は違います。
正面床の間の後ろの壁は、元々の壁から100mm部屋内に後退させています。
それに伴い、梁の仕口から、書院の欄間までいろんなものを切り縮めました。
天井は地杉上小節羽目板張、床は地桧無地フローリング。
左手の窓は元からあった格子を直しています。
正面に見えるのはトイレと、3Fに上がる階段です。
奥の部屋は、竿縁天井を撤去し、地杉羽目板で勾配天井にしています。
もともとあった化粧野地板は綺麗に洗って再利用しています。一枚物の縁甲板も丁寧にめくって復旧しました。
正面の壁は名古屋モザイク。施主様希望のタイルパターンをベースにカスタムオーダーしています。
外壁工事の際はお隣の敷地に足場を建てさせていただく事が出来ました。
初めて採用する材料や工法も多く、良い経験になりました。
特に、側柱を後退させる作業は圧巻でした。
当初の予定より工期が伸びてしまいましたが、自然素材に溢れ、和の意匠を継承しながらも最新の設備を備えた、お施主さんのこだわりの詰まった建物になったのではと思います。
ありがとうございました。


