アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

聖護院 鶴の家

松の一枚板に鶴の絵。もちろん、この建具は残しました。

戦前からあるお店さんを息子夫婦のために改修

 弊社で、貸家の管理をさせていただいているお店さんの母屋です。
 息子さん夫婦が京都に帰ってこられるのに合わせ、過ごしやすいように改修しました。
 既存の素材で良い部分はそのまま生かし、また、水廻りを中心に老朽化が進んでいるところは、思い切って全面改修しています。
 洗面・浴室・トイレ・キッチンといった、設備類は最新のものに入れ替ています。

 ダイニングルームからリビング越に、前庭を見ています。

 開放感を確保するために、できるだけ天井は上げています。
 左手、キッチンの後ろに大黒柱が見えていますが、これはそのまま残しています。
 天井は、左右に梁が等間隔に並んでいますが、これらは全て改修の際に付け足したものです。


ダイニングとキッチンの間仕切りを閉じる : リビングからダイニングを見る
オープンキッチンからリビングを見る : キッチン天井杉板を見る

 足達くんが、牛田くんがやったこれを見て、貼りました(^^ゞ

座敷

 リビングの隣にある座敷です。
 われわれは、『松の間』と呼んでいます。柱から天井板、地板にいたるまで、木材は全て松を使っているからです。襖にも松の絵が描かれています。
 壁も、松色に塗っています。
 この部屋は、塗りなおしや表替えといった表面的な手入れだけを行いました。
 「襖絵を描く」という、新築では考えられないような贅沢が残っています。

 次は、勝手口から水廻りの方を見てみましょう。こちらは、老朽化が激しいため全面的に手入れをしています。

離れに続く廊下(右手の建具が水廻りへの入口) : 洗面所 : トイレ

 ガレージ屋根兼用の、物干し台に続く階段です。
 ほとんど、桧で材工しています。
 物干しにしては、かなりかっこよく、落ち着いた空間に仕上がっています。

物干し西面 : 物干し東面
 昔からお仕事をさせていただいているお施っさんなのですが、今回はご自分のお住まいということもあり、弊社の隣にある『NOM建築設計室』さんをご紹介しました。
 町家改修に造詣の深い先生で、京町家作事組の仕事ではいろいろとお世話になっています。
 ご依頼を受けてから、着工するまで2年近くかかり、お施っさんには大変ご迷惑をかけましたが、古い物を残し、次の時代に引き継ぐ仕事ができて良かったと思っています。
 それにしても、襖絵が本当に見事でした。現場を担当していた足達くんも大変気を使ったようです。
現場監督 村上 幸男
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