アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

京田辺 古民家の改修

先代から続いている古いお住まいを直す

 典型的な田の字型の古いお住まいです。
 離れを弊社で改修したところ、気に入っていただき、母屋も解体しないで改修する事になりました。
 もともと、ハウスメーカーさんで解体し、新築されるご予定だったのですが、大変立派な建物でしたので、柱・梁はできるだけそのまま再利用する事になりました。
 ただし、屋根・外壁は全面改修。登り・母屋も追加。土間は全面メッシュ敷の上コンクリート打ちとしています。


鹿の子漆喰・外部黒壁仕上で昔ながらの重厚な佇まいを復元しています。

 写真に写っている部分のうち、1Fの広縁の掃き出し窓と下見板、2Fの窓以外は全て新調しています。
 棟瓦はできるだけ高くするために、熨斗瓦を11段としています。
 また、かっこよくみせるために、角木に照りをつけ、角棟もできるだけ反らしているのがわかると思います。

玄関土間

 玄関です。
 表の建具はウレタンで3回塗をしています。正面の下駄箱は欅突板の既製品ですが、かっこよくするために、天板の上にタモの無垢板を貼り重ねています。
 正面の下地窓はあたらしく造作しましたが、黒竹は以前から玄関にあったものを再利用しています。


小上がりから玄関間を望む

 左は座敷に通じる玄関間。右はリビングに通じる格子戸です。
 建具は洗い+再塗装。小上がりもウレタンで再塗装しています。
 こちらの下地窓も再利用品です。
 壁の塗りなおし、柱・梁の油拭で見違えるようになりました。


通り土間

 さきほどの格子戸の右手に、離れに通じる通り土間があります。
 自分でデザインしていて何ですが、ちょっとかっこいいです(^^ゞ。
 天井は真ん中に網代ボード。両端に、押し入れ用の杉板と、焼板を交代に貼っています。牛田くんに施工してもらったのですが、焼板をいちいち拭かないといけないので結構めんどくさかったそうです。
 天井両端は、クリプトンの間接照明を仕込んでいます。人感センサースイッチをつけているので、人が通ると作動するようになっています。
 床は両端に角入モルタル、真ん中には300角のタイルをナナメに貼っています。
 この古民家で一番いい空間です。


広縁から通り土間を見る

 広縁です。
 天井は、化粧垂木表し、化粧野地は杉小幅板です。
 左手は中庭です。掃き出し窓はヒバです。 
 右手はリビングに通じる引き違い戸で、框と松の突き板を塗分けしています。
 
 床は松ピーラーの縁甲板です。
 天井まで高いのと、広縁の幅が110cmあるため、開放感があります。


中 庭

 広縁外部の中庭です。
 灯篭・植木・飛び石・白玉石とも弊社でレイアウトしました。
 ちょこっと植栽があると、心が和みます。


リビング

 リビングです。
 もともと台所だったところです。
 この空間には2Fに納戸があったのですが、広い空間を確保するため、納戸を撤去して、吹き抜けにしています。
 正面の手洗いは、お施っさんが購入された鉢と水栓に、弊社で据付したものです。
 カウンターはデュポンコーリアン。
 扉・側板はわびすけ塗しています。
 
 白く見えていますが、壁は藁いりジュラク塗。床は松板厚38㎜にオスモカラー2度塗しています。


リビング上部

 2Fの和室から、リビングの吹き抜けを見下ろしています。
 墜落防止に弊社在庫の煤竹を仕込んでみました。吹き抜け空間の間にただよう照明が雰囲気に合っていい感じです。


リビングから和室入り口を見る

 建具は両方とも新調していますが、できるだけ雰囲気にあわすように古色塗りしています。
 塗り方はお施っさんからお預かりした冊子を参考にしています。
 ぜんぶべたっと塗ってしまうと真っ暗なので、シースワールの木目を生かして明るめに塗っています。
 衝立はお施っさんの持っていらっしゃるものを塗りなおし、障子紙を貼りなおして再利用しています。


表 庭

 座敷から広縁越しに見る表庭です。
 柘植を中心にたくさん植わっていたのですが、お住まいの改修を契機に思い切ってスカッとさせました。

天理さん と 階段

 控えの間の天理さんです。
 天井はなんと、屋久杉の突き板を使っています!
 天理さんの3段框も、なんと台桧を使っています!
 なんとも贅沢です(^^ゞ
 それでは付替えた階段から2階に登ってみましょう!


2F続洋間

 奥は箪笥部屋。手前はご主人さんの事務室になる予定です。
 床は楢無塗装+オスモカラー塗。建具は杉の羽目板を使った框戸です。
 せっかく天井が高いので、丸太の上に明り取り用に竹格子を入れてみました。
 ここの壁はクロスを貼っています。


2F客間

 2F客間
 お客さんが来たときに泊まる2Fの客間です。
 落とし垣は煤竹。琵琶棚の柱は北山丸太です。地板は松のロータリー剥き突板です。
 できるだけ天井を高くとるために、中折れで天井板を張っています。


手洗い用の濡縁

 最後に、お施っさんの要望に応え、手洗い用の濡縁を造ってみました。
 腐らないように、桧丸太を一方摺し、根太からビス留めしています。
 こういう細部のこだわって造ると、完成したときに、職人ともどもお住まいに愛着がわいてきます。
 大雨が降ると、ちょっと心配になったりするのです。

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