京コトはじめ 町家を支える文化
2024年1月12日、NHK『京コトはじめ』という番組に出演させていただきました。高校時代の英語の先生だったバーグランドさんと一緒です。大変ありがたい事です。
なんと、東本願寺別邸「渉成園」で一番大きな客殿「ろう風亭」を借り切っての撮影でした。
大変天気の良い日の撮影で、背景に映りこむお庭の情景が素敵でした。
森田アナウンサー(以下M)「今回のテーマは『京都の暮らしを支える古材の文化』です。いまなお京都に残る、歴史ある建物は、古材を大切にし、再利用する文化があったからこそ続いていると言っても過言ではありません」
M「荒木さんは、工務店として京町家や古民家の再生・改修を行いながら、『古材文化の会』としての活動もなさっています」
荒木「よろしくお願いします。古材文化の会では、古い建物や古材の保存・活用を促進するだけでなく、伝統的木造建築文化と建築技術の継承と発展を図っています」
N「古材を大切に使い続けるのには理由があるそうです。どんな理由でしょうか」
荒木「1つ目は、強度があるという事です。100年以上経過した木材は、充分水分も抜けており、これ以上曲がるという事はほぼありません。短時間で人工乾燥させた木材よりも粘り気があります」
荒木「二つ目は、趣です。長年使われていた柱の色や質感などは、新しい気では表せません。昔は、ベンガラ塗の柱は、毎年油拭で磨いてきました。そのために深みのある質感がでていますね」
荒木「3つ目は、貴重な素材という事です。例えば、欅などは、乾燥に時間が掛かる上に、加工が大変なので、今では入手困難です」
M「なぜ手に入りにくいんでしょうか?」
荒木「山が荒れているからです。日本は国土の7割が森林ですが、輸入材の方が安くて手入れがされなくなりました。手入れしない山からはよい木材が取れず悪循環になっています」
M「古材文化の会が造られた背景にはどのような事があったのでしょう?」
荒木「京都市内には京町家に代表される戦前に建てられた木造住宅が4万件以上残っていますが、毎年800軒のペースで解体除却が進んでいます。この現状を何とか変えていこうと有志が集まって発足しました。今では、古材市も開催し、再利用を進めています」
M「荒木さんの工務店でも、家を訪れ、不具合がないか調べたりするのでしょうか?」
荒木「改修した後も、建具が反ったり、不具合がある事がよくあります。できるだけ定期的にお伺いし、建物が傷む前に手入れをすることが大事だと考えています」
荒木「町家は一度潰すと、いろんな規制があり、新築する事はかなり大変です。1つでも多くの町家を直し、次の世代につないでいきたいと思っています」
最後に、記念写真を撮りました♪
また、こうやって当社の取り組みを紹介できる機会ができたらいいなと感じました。