4.荒壁の家
今回の家は荒壁を施したお宅です。荒壁とは、土壁で、小舞竹に荒壁土(地場の山や水底から採取した粘性の高い砂混じりの粘土)を塗り、裏側から裏返し塗りをして仕上げた壁です。
このお宅は、
- 外部は1階が板張り、2階は漆喰塗り
- 内部は土塗り真壁
- 檜の床板、柱・梁・小屋裏化粧仕上げ
の美しい家です。
荒壁は、古くから伝わる伝統工法です。調湿性能が高く、断熱材の役割も果たし、筋交いの替わりとして漆喰で仕上れば美しい壁になるという万能選手のようなものです。
もちろん、今、ちまたで問題とされているシックハウスとは無縁の天然素材であり、日本ではごくあたりまえに施工されていました。しかし、
- 手間がかかる(費用がかかる)
- 良質の小舞竹、荒壁土が入手しにくい
- 腕のいい職人がなかなかいない
- 施工に時間がかかる(えつり、乾燥等)
- 施主の嗜好が洋風化した
等の理由から、あまり使われなくなってしまいました。
近年、サイディング・塩ビ化粧板等の新建材を使われることが大変多くなってきましたが、このような材料・施工方法が見なおされても良いと思っています。
第1回:基礎・建込

地質調査をした上で、全体に深く幅広の布基礎を施しています。必要なところは、一回り大きな基礎にしています。

基礎だけをみてもかなり大きな家だと感じされられます。

建て込みです。 柱・梁が全てそのまま化粧になります。建て込みに2日かかりました。

この家で一番大きな梁を納めているところです。

下にいる人と比べても、その大きさがわかると思います。
両端をボルトでしっかりと固定します。

小屋組み丸太も入りました。

屋根の化粧野地を下から見ています。
この化粧野地は2Fからそのままみえる仕様になっています。
この丸太は一部古材を使っています。(古い木の表面をうすくはいで、新しい木肌をみせています)

反対側です。 丸太が等間隔に並んでいます。

荒壁下地用の貫を壁に入れています。 別に一部筋交いも入れます。

また、見えない場所での金物の補強もしていきます。

ボルトも全て止めていきます。
構造材がそのまま化粧としてみえるので、場所によっては金物もみえることになります。
次回は屋根工事です。