アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

建った時から古い家(NHK版)

 2005年1月5日、NHK京都放送局の夕方のニュースで、弊社が施工した、Iさんのお宅が紹介されました。
 きっかけは、NHKからある日突然電話があり、「経営革新支援法の承認を受けられたと伺いました。京都の元気な企業ということで取材させて欲しい」との依頼を受けた事からでした。
 Iさんも快く取材協力をされ、近畿ローカルですが放送に結びつきました。
 簡単にTV放映の内容をまとめましたので、ご覧下さい。

新春インタビュー/町家の廃材リサイクル

アナA さあ、今日からシリーズで、府内の各地で活躍が期待される方々を対象に、新春インタビューをお伝えします。
 1回目の今日は、京都の伝統的な木造住宅『町家』が取り壊される際にできる廃材のリサイクルに取り組む京都市の工務店のオーナー荒木正亘さんです。
アナB 荒木さんは、京都市の補助を受けて、こうした古い木材を新築の住宅に取り入れる事にしました。林秀雄記者が取材しました。
林記者 京都市右京区で工務店を営む荒木正亘さんです。建築の道に入って半世紀という荒木さん。町家の再生に取り組む団体の副理事長も務めています。

 荒木さんは、町家が壊される際にでる年代物の柱や梁それに古道具が燃やされるのにこころを痛めていました。
荒木 京都の町家の調査に入った頃は、旧市内だけで3万軒あまりあったんですけど、今ではもう2万8千軒といいますから、かなり減ってしまいましたね。私も、中京に住んでいたもんですから、家並みが崩れていくのをみると寂しい思いがしてます。
 町家は1軒だけでなく、家並みをそろえてはじめて京都らしいたたずまいになるもんですからね。
林記者 取り壊される町家はどうなるんですか?
荒木 ほとんど全部処分ですね。昔は夷川あたりに古い建具とか畳とかを扱っているお店がずいぶんあったんですけど、これもまたほとんどなくなってしまいました。
町家というのは、再生できるように鴨居の高さや畳の大きさをあわしていたんですけど、最近は鴨居も高くなって再利用できなくなってきたんでしょうね。

荒木 こういう建具は板格子といいましてね。江戸時代のものですから200年は経っています。でも、古い材には古い材の良さがあるんですよ。今の時代だからこそ良さが引き立ちますね。古い材は今の材よりも強度は高いんです。ですからできるだけ使って欲しいと思っています。
荒木 新築を何軒もするなかで、あまりにも新材ばかりではなく、1本でも2本でもいいから古い材を使って欲しいという要望がありましてね。それで、ぐっと家が引き立つんですよ。大抵ご主人か、奥さんかどちらかがおっしゃって、そういう仕事をするんですけど、ご家族の方は「どんな家がたつんだろう・・・」と半信半疑でね。でも、家族の方が大変喜んでもらっています。こういう古い材を使うと、家にたいする愛着がぐっと増すんですね。

 住まいは建った時が最高で、だんだん痛んでくるんですけど、愛着があれば住まいも長持ちしていいんじゃないかなぁと思っています。
荒木 京都の場合、古い町家を手入れして残していこうという風土がありましたが、一時それが途絶えてしまいまして、大変家が荒れてしまいました。家が荒れたから手入れするより建て替えようということで、どんどん古い建物が壊されてしまいました。あまりにももったいないんで、ちょっといい材料があればストックしてきたんです。

 最近また手入れしようという風土が復活しようとしています。そうした古い材料も抵抗無く、むしろアンティークでいいとおっしゃる方が増えてきました。大変嬉しいことだと思っています。 新築の際、古い材を使ったら、「家を建てたぞ!」というんじゃなくて、「なんとなく前からあったような気がする」というようなどっしりした感じなります。
 是非みなさんにお勧めしたいですね。

荒木 今現在ですと、解体した材料のリサイクルの比率が微々たるものです。できればそのウェイトを大きくしていきたいですね。 「移築」というとオーバーになりますが、古い材料ばかりで新しい家を建ててみたいです。
アナB 以上新春インタビューでした。

☆☆ 写真提供:日本放送協会京都放送局 ☆☆
このページの先頭に戻る