建った時から古い家(続)
■ 2 F
2Fにあがると各部屋につながる廊下にでます。
天井はロフトの床(杉板38mm)あらわしです。
正面のドアは子供部屋につながります。お施っさんのデザインです。
右の板戸を開けると、寝室になります。
真ん中の梁と、左手入口の板戸上の差鴨居は古材をつかいました。
その他は新材です。
できるだけ、「どれが古いかわからないようにしよう」と思い、新材も「紅柄+玉墨+油」塗で仕上ました。
写真では、わかりにくいですが、つるっと漆喰を塗るのは結構技術がいります。
ここは、『幸男くんの工事日誌』にも登場する小野くんにやってもらいました。 本当に上手い職人さんで、大変助かります。
正面階段上左手の襖がロフトの入口です。
同じ部屋の西南方向を見たものです。
丸窓のシルエットが障子に映えてとてもきれいにみえます。
紙障子をあけるとベランダにでます。
ベランダの庇も、町家をイメージし、余分な装飾を廃した作りにしてみました。
8m以上の長い庇で、重厚感があります。
さて、結果的には、クロゼットに梯子を掛けて、その上からロフトに上がるような仕様になっておりますが、当初は、納戸に梯子を掛ける予定でした。
お施っさんと相談の上、このように変更したのですが、そうすると、『クロゼットの上に良さそうなスペースができた』ので、火打を利用して、三角形のテーブルにしてみました。
椅子は、踏み台兼用の丸太です。
なんの変哲もない洗面ですが、化粧台は日立、化粧鏡はINAXです。
『ストレートカウンターで、正面の鏡の後ろが全て収納できる』という、お施っさんの希望を伺った結果こうなりました。
内心、上手く仕上がるかちょっと不安でしたが、思いのほかマッチしたので、ほっとしています。(^^ゞ
天井:代萩、煤竹押え、床は:楓無垢12mm、腰壁:トガ柾板 仕様です。
少ししか映っていませんが、ドアノブは、昭和ロックの真鍮製です。
2Fには、ドアが3つありますが、全て真鍮の握玉仕様です。
製造メーカーが倒産してしまい、注文ができないため、京都の金物屋さんの在庫をかなり探して取りつけました。
吊棚もちょっと遊んでみました。どうやって施工してるかわかりますか?
職人さんがはりきると、知らない間にグレードアップします(^^ゞ
■ ロフト
ロフトは、床・壁とも、杉板を全面に貼りました。天井は品ベニヤです。
照明は、電気屋さんに工事用照明を4つ分けてもらいました。
この部屋は、パソコンルームになるとの事でしたので、それように、コンセント、電話回線、LANによる他室への配線、テレビ配線等一通り入れてあります。
天井裏に相当断熱材を敷いたのですが、それでも、夏は暑いです。
そのおかげで、お施っさんの考えがわかり、職人さんにも伝わったので、
「こうしたほうが喜んでもらえるかなあ」
「こうやったら使いやすいんとちゃうか」
とか考えながら施工できました。
新築の場合、御予算もある上に、『できていないものをみんなで考えて作る』ため、思っておられるようにはなかなかならなりません。でも、今回は、かなり近いところまでできたのではないかなぁ・・・と思っています。
このページをごらんになられている方でも、御興味がおありでしたら、一度お問合せいただければ幸いです。
もちろん、手間がかかれば、費用も増えます。でも、アイデア1つで費用を掛けなくても良い住まいはできるのです。(火打は最初からついていたものですし、丸太は1ヶせいぜい3,000円程度です)