ちゅんたたちの民家
閑静な住宅地に佇む平屋建ての民家です。
建物は明治21年の登記簿には既に建っていたことを確認できるそうなので、少なくとも築年数は135年以上となります。構造から考えると江戸時代頃の建築ではないかと推測できます。
できるだけ既存の材料を残した上で、住み心地の良い建物に修復することになりました。
今回の工事では、ご提案させて頂いた内容をほぼ全て受け入れて頂けたこともあり、大工さんをはじめ多くの職人さん達には無理をお願いしたことも多々ありましたが、本当に自分自身、納得できる素晴らしいお住まいになったと実感しております。
担当した大工さんは植松君です。
民家のリノベーション 1)施工

雨漏りもあってかなり傷んでいる箇所がみられますが、大黒柱や夷柱など主要な部材は健全で、構造からしっかりと直すことができそうです。

飲料水として井戸水を利用されたいとの事。裏庭で掘削しましたが、岩盤に当たってしまい、表で再度掘削です。美味しい水がでたらいいですね。

元々柱の足元には一つ石があったり、無かったりです。今回は外周部と内部の土間仕上となる範囲には延石を敷くため、ベース基礎の掘削をします。

柱を浮かせた状態のまま、型枠をしてコンクリートを打設します。既存の土台や框をできるだけ残して柱の足元がバラバラにならないように注意します。

ベースコンが打てたら延石を据えます。柱の足元の長さは石を据えた際にちょうどになるよう予めカットしておきます。

建物の水平垂直をほぼ新築レベルの状態に戻すことができました。このように建物の根本を健全化する工事は費用は掛かりますが、値打ちがある工事です。

棟梁の植松君が当社第一工場で加工しています。店舗に化粧材でいれるゴロンボです。節の少ない綺麗な松材です。

ドライビームを加工しています。サブで入っている築山君です。植松君の先輩でよき相談相手となっています。

部屋が広く角材では不安なのでゴロンボで受けます。ちらの上へもう1丁のゴロンボを直行させて持たせます。

構造が落ち着いたので、外装工事に写ります。屋根はGL鋼板タテハゼ葺きですが、1辺の流れが7mを超える長い材料です。

床板を貼ると床下の土間の掃除ができなくなりますので、断熱材を入れる前に掃除を念入りに行います。

これだけの束を纏めて外部へ出してエコキュートへ接続しなければなりません。過去最大の本数です。
民家のリノベーション 2)竣工
今回は、店舗併用住宅ということで計画させて頂きました。
既存建物の敷地面積は狭くはないのですが、平屋建てということもあり、延べ床面積はファミリータイプのマンションの面積程度です。
二重軒のファサード。民家の雰囲気を残しつつ新しいデザインにしました。
白木の糸屋格子、軒裏も化粧腕木を見せています。
ご近所に黒漆喰の民家が多く現存していたので、似た外壁に合わせて仕上げました。木部のベンガラ風塗装との相性もバツグンです。
店舗スペースです。ミセノマへの入口は古建具を使っています。糸を使ったお店になるため、格子の切子は3本としました。
天窓を配した明るい玄関。照明器具は施主様に選定いただきました。左手の壁が一部凹ませ、昔の古い壁をあえて見せています。
紙障子付舞羅桟戸は民家に残っていた古建具再利用。
床はナラ積層フロア。
竿縁天井は新調です。
しっかりと構造を直したので綺麗な空間です。
キッチンをよくみると、左手にフラッシュ戸が見えます。
この建具が右に動き、キッチンが隠せるようになっています。
上部の横格子の中にエアコンが隠れています。
天井は地杉上小節。
照明は施主様支給品です。
キッチン左手の壁を裏側から見ています。色んな小物が置ける便利な空間です。手前は網代天井。竹材店さんにお願いし、ジョイントナシで繋ぎこんでいます。
手洗器も便器もTOTOの既製品ですが、洗面鏡は変わっています。
これも施主様支給品です。素敵なセンスです。
内装は、全体的に土壁と木材をバランス良く設え、ベースとなる古民家の中へ、機能的且つスタイリッシュなデザインを組み込むことで、懐かしくもあり、新鮮さも兼ね備えた落ち着きのある建物とすることができたと思います。
特にDKとの繋がりを持ち、スペース的にもゆったりと配置した縁側には大きな窓を設置し、そこから入る朝日の変化を、一年を通じてゆっくりと過ごして頂けることを想像して計画させて頂きました。
末永く快適にお住まい頂けると幸いです。
最後に、このような機会を与えて頂けたお客様に感謝致します、ありがとうございました。
これからもより良い家づくりに励みたいと思います!


