住まい自分流~京町家に住む~
間口が狭くて奥行きが長い町家
ナレーション(以下N)「東京で集合住宅に暮らす二人。京都のまちに残る昔ながらの住まいを見に行きました」
鈴木「京都に古くから残る住まい。どんな特色があるんでしょうか。荒木勇さんに詳しく教えていただきます。よろしくお願いします。」
荒木「はじめまして。こちらこそよろしく」
N「荒木さんは京都で日本家屋などの建築を手がける工務店を営んでいます」
小野「日本の昔ながらの住まいと言いますと私は茅葺屋根のお家とかお寺とかそういう建物をイメージするんですけどこのあたりの建物はどういう感じなんでしょうか」
荒木「このあたりの建物はね、京町家と言われてまして、昔から京都のまちなかで商売をする庶民のお住まいやったんです」
小野「町のお家だから町家」
荒木「そうですね、はい。わかりやすいですね。間口が狭くて奥行きが長いという独特の特徴がありますね」
鈴木「今、話しにありましたように、これが間口ですね。さほど広くないですね」
荒木「だいたい三間前後の住まいが多いですね。」
鈴木「それが、うわぁ、長いですね」
小野「わぁ、長いですね。」
荒木「そうですね、でももっと長い家もいっぱいありますよ」
小野「なんでこんなに奥行きがあるんですかね」
荒木「なんででしょうかね。税金が間口で決まったいうお話もありますし、端から端までの通りの真ん中で分けたんで長くなったという話もあります。いろんな説がありますけれども」
鈴木「いやぁ、それにしても長いですよ。よくうなぎの寝床って言うけど、ほんとにそうですね」
愛情を受けると家も生き生きする
N「間口が広い町家もあります。代表的な京町家のひとつ。野口家住宅。江戸時代のすがたを今に伝える大きな呉服商の家です」
鈴木「さっきの町家は、三間とか二間半ぐらいでしたよね」
荒木「大きいですね、ここは。十間以上あるかもしれませんね。」
小野「すごく広いですね」
鈴木「奥までドーンとあるんですか?」
荒木「ドーンとあります(笑)。かなり奥の方まで。離れまであります。さっき見ていただいたお住まいよりも長いです」
小野「すごい広いですね。これだけ立派なおうちを、古くから大事にされたお家を維持していくって相当大変ですよね」
荒木「まぁ、好きじゃないとできないですね。家に愛着があったら一所懸命磨くでしょ。磨いていくと雨漏りしてたりするのもわかるし、虫がいてもわかるからね。家が好きやったら手入れもできるし家も長もちする。そんな感じですね」
小野「家も生き物と一緒ですね。愛情が大切ですね」
荒木「愛情を受けると家も生き生きしますよね」
鈴木「まぁ、普通に考えると、家が古くなったら、壊して今風の新しい家に建替えようかと思いがちですけど」
荒木「木を切るまでに100年かかったら、家を建ててからでも100年もつといわれてるんです。腐ったり虫にやられたりしなければ何十年でも何百年でももつものなので、できるだけ古いものは大切にしていった方がいいと思いますね」
鈴木「京都の住まいのいろんなことがわかりました。ありがとうございました」
あまりにもったいないのでYouTubeにアップしています。よろしかったらご覧ください。