新発見! ニッポンの家 ― 柱 ―
テレビ大阪の「坂東英二のGOODスマイル」という番組に「新発見!ニッポンの家」というコーナーがあります。
毎回、襖・濡縁・塗壁といったいろんな建築材料を紹介されているのですが、2004年9月25日、柱を特集する回で弊社が紹介されました。
弊社の工事現場、お施っさん、大工、工場と、宣伝みたいな内容になったので、ちょっと嬉しかったです。
日本の建築に欠かせないいのち ―柱―
アナウンサー 「近代建築隆盛の陰で、近頃、木の柱の存在を感じることが少なくなってきました」
大黒柱や床柱のある風景、そしてその意味をたっぷりとご覧ください」
ナレーション(以下N)「古くから日本建築は柱を中心に構成されてきました」
鳥居の形は日本建築の象徴でもあります。太い柱に棟木を通し、それと平行に貫を入れ補強するというシンプルな発想が、木造軸組工法に今も生かされています」
現場の大工が最も木を気を使う柱
N「構造上重要で、かつ化粧としても使われる柱の選定・仕上は、現場の大工さんが最も気を使います」
「京町家の再生などで知られる棟梁荒木正亘さん(71歳/放映日現在)は、伝統的木造工法に精通した匠の一人です」
荒木「柱は木造住宅にとって不可欠なものなんですね。
伝統木工法でも在来軸組工法でも、柱というのは重要で、特に前者では数多くの柱が立ちます。家のぐるりは大体1メートルピッチぐらいで柱を立てるんです」
「また、地域や用途によって、使う柱の樹種が変わります。
京都では近郷には杉の柱が多く、昔は庶民の家というと、杉の柱でした。東北の方は欅(ケヤキ)の産地ですから、欅の柱を使ったり、栗の柱を使ったりします。木があばれやすいという欠点がある代わりに木目が大変美しいからです。東北以外でも、大黒柱は、きれいな木目を見せるために欅を使ったりします」
どうして大黒柱というのか
N「家のほぼ中央にどっしりと構え、建築する時に最初にたてる太い柱を大黒柱といいます。土間と座敷の境にそびえ、台所の柱として堂々と存在感を示しています」
台所には厨房の神様の大黒天が祀られ、そのことから大黒柱と呼ばれるようになったと言われています」
約200年前、文化5年に京都妙心寺大庫裏の改修工事が行われた際に、梁の高さを下げるため大黒柱を短くました。その余った柱を材料に当時の大工さんが大黒様を作ったと伝えられています」
もとはインドの神様で、室町時代頃からお米や食物の守護神として日本の庶民に広まったと言われています」
柱のしっかりした家は代を超えて受け継がれる
N「16代にわたって、漆塗り用の刷毛を作り続けてきた今井家。今も台所と玄関との境に8寸角(24㎝角)の檜の大黒柱がそびえています」
代替わりにともない去年改修を行いましたが、90年前に建てられた当時そのままに柱や梁を残しました」
今井さん「ぜひ、この柱と梁を残していきたいと思ましたので、大工さんと相談して、町家のたたずまいを残したまま、快適に生活できる空間を作っていただこうと思いました」
これだけ立派な柱なのであと100年は持ってくれると思っています」
N「床柱には構造上より装飾としての役割が重要視されます。
杉の磨き丸太が玄関に、座敷には樹齢130年の栂(トガ)の床柱があります。
細かい柾目の床柱が家に気品と温もりを与え、訪れた人々に寛いでもらえるよう働きかけているようです」
古い家に新たな命を吹き込む若い匠たち
N「古い柱を生かし、家に新たな命を吹き込む若き匠たちがいます。昔の鴨居の穴が残った柱を修復するのは、大工頭の足達宗凡さん。
かつてあった床の間をなくし、広いリビングに部屋を改造中です」
N「書院の鴨居があった位置に埋め木をしています。
埋め木というのは修復の技法で、撤去されたほかの古い柱から材をとり、木目などをできる限り合わせ、穴を塞いで補修します。
仕上にカンナで磨きをかけてから、色を合わます」
足達くん「親から子に住み継いだときに、息子さんたちがこの埋め木を見て、『昔ここに床の間があって書院があったんだなぁ』と、思い出されることがあると、すごくいいのではないかと思うんです」
N「100年前に建ったこの家も、大工さんたちの手で間もなく生まれ変わります」
大黒柱のある家は住まいの原点
N「家族や集団を支える人を大黒柱と呼びます。その人を中心とした場は、安心して暮らせる場です」
その安心の象徴である大黒柱がある家は、今も日本の住まいの原点なのです」
板東英二「日本家屋というのはすごいものですね。棟梁が普請をしてお金を貰うと、必ず山へ入る」
次の普請の時に使う木を探しに行くんですね。こうして木材を供給していくのは、ほんとうに大変なんですよ」
アナウンサー「それはそうと、大黒柱というと、坂東さんも、ローテーションの柱だったですねぇ」
お笑いタレント「いやぁ、谷間だったんじゃないですか?」
坂東英二「馬鹿もん! なにをいっとるんだ!(笑)」
足達くんより一言
いやぁ、撮影って本当に大変です。
現場に入って、「仕事してるふりしてください!」といわれ、必要のないとこを、いろいろ動いていくうちに、何を言おうかと悩んでしまいました。
それで、『埋木をバックに話してください』というので、適当に話していたら、『なかなかいいですねぇ…、じゃあ、もう一度お願いします』との事。
そんなん、一度話したら、忘れてしまい、焦ります_| ̄|○
でも、いい経験になりました。