京町家を解体される方へ
解体のご予定のある方、是非当社にご一報ください。
当社では京町家を残す活動を続けていますが、残念ながら解体される町家の情報は入手できないでいます。
1軒でも京町家を救いたいと思っています。ご協力よろしくお願いいたします。
京町家が解体される理由
京都市が行った2016(平成28)年の調査によると、その時点の京町家は約4万軒(うち約5,800軒が空き家)あり、7年前と比べて約5,600軒の京町家が滅失しているという結果になっています。
1日当たり2軒が取り壊された計算になり、空き家率も高まっている状況にあり、現在ではさらにその数を減らしていると言われています。
町家が取り壊される理由はさまざまです。
- 維持・管理が大変
- 他府県に移住した
- 固定資産税が上がった
- 相続人がいなくなった
- 住んでくれる子供がいない
- 町内に知り合いがいなくなった
- ビルに囲まれて生活しずらい
など、色んな理由があります。
それでも、愛着があり、「解体するのは、惜しい」と言われる方もいらっしゃるでしょう。
京都市では、2016(平成29)年に「京町家条例」を制定し、解体時には京都市への届出が必要とされています(指定京町家の場合は1年前までに届出)。
しかしながら、罰則規定がないため、そもそも届出されていない町家も多い上に、届出されても、守秘義務があり、解体がわかっていても、その情報は一般には公開されていないのが現状です。
現在、"解体される"という届出があっても、その情報は我々のもとには届きません。
情報提供のお願い
解体のご予定のある方、是非当社にご一報ください。
解体すればゴミ同然の京町家も、使いたい人がいれば、次の世代まで引き継ぐことができます。
柱に刻んだ背比べの跡や、建具に描いた落書きの跡も、どなたかのお住まいで生き続ける事ができます。
さらに、京町家は今では入手困難な材料がたくさん使われています。
日本は国土のおよそ3分の2が森林ですが、林業が衰退し、山の手入れがされなくなってしまいました。そういう意味でも町家で使われている材料は貴重です。
解体される町家の活用方法としては以下の2つがあります。
京町家の材料を再利用
古い建具、古い床の間、欄間などは、取り外しが比較的容易です。
当社では持ち帰って、釘仕舞や水洗いなどをし、「あらき古材倉庫」で、保管しています。
京町家を改修する際、使いたい方がいらっしゃったら、手間代だけいただいてお譲りしています。
京町家の移築
京町家を移築して再利用したいというお施主様もいらっしゃいます。
移築には、莫大な費用が掛かりますが、それでも貴重な京町家を残したいという方がいらっしゃるのです。
傾いていたり、改造されていても町家には変わりません。
実際に引き取り手が見つかるかどうかは、
- 建物の大きさ・間取り
- これまでの改修履歴
- 移築先の建築条件
などにより、不確定要素が大きいのですが、ご一報いただくだけでもありがたいです。
そのためには、番付表を作り、材木1つ1つに番号を振っていかなければなりません。
相当時間がかかるため、解体予定の方は早めにご連絡いただきますようお願いいたします。