アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

5.こんな仕事も

第2回:御陵さんの高欄取替

 場所は山の中腹にあり、道は歩いて登るだけです。車を置いて約20分~30分山道を登り到着します。
 荷物、道具、弁当、飲水まで全て人間がかついで登ります。いや~今回はキビシイかったです。何か忘れ物をしたら往復約1時間かかります。しかも、携帯は圏外です! 実は私、1日で3回登りました、もう本当にフラフラでした。

既存の高欄の写真です。
こちらは左側。

こちらは右側。もうボロボロでした。

端部のアップです。
もう、錆々で、苔で変色しています。

全てバラして持ち帰ります。そして、これを見本にしながら造ります。

材料を削り加工します。
左端に持ち帰った古材の見本が有ります。

細かい作業です。

結構めんどくさいですが、大工さんの腕がそのまま反映するので、結構緊張します。
これが楽しめるようになれば、一人前です(^^ゞ

端部や、釘隠しに銅板を使います。
工場で現物に合わせて加工してもらいます。
(現場だと、坂道あがるの大変なので…)

キシラデコールという防虫・防腐塗料(非塗膜形成タイプで通気性があります)を塗っています。
工場で2回色を塗り、3回目は現場で。

さあ、現場での組立です。
前にあったところと同じ位置に組立ます。

大分出来ましたが、既に夕方です。
電気も何もないので、あせります。

ようやく終了に近くなってきました。
早くしないと真っ暗になります。
3回目の塗装は出来るかな~。

2日かけてやっと組み終わりました。
両側とも新しくなりました。(これは別の昼間に撮った写真です)

 この工事は現場へ行くことが大きな仕事の一つでした。
 木工事の他に石工事も少しあったのですが、ふもとから天秤棒を2人でかついで上って来たのを見た時は、それはもう、本当に気の毒でした。
 ただただ、ご苦労さんと言うしかありませんでした。
 発注元もその点には考慮してくださって、運搬費は大きく見て下さいました。
 大げさに言えばエジプトのピラミッドを造った時と同じで人間の足のみで運んだと思うと(やっぱり大げさですか・・・?)大変でした。

 次回は、東本願寺さんでの、古材のテストピース取りのお仕事です。

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