アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

法輪寺 ~ お寺の改修

 本堂への入口は元は平入りの形になっていました。それを今回周辺の水廻りや座敷の改修に伴い屋根の方向を90度を変え、妻入りの形にしました。これにより正面玄関入口は堂々たる構えになり、破風や懸魚、鬼瓦などが美しく見えるようになりました。奥の大屋根の棟の鬼も新しくしました。

鬼瓦・懸魚

 鬼、懸魚周りの拡大写真です。
 鬼は別焼にて3分割で現地に来ます。写真では小さく見えますが目の前で見るとかなり大きいです。懸魚も大工が型を写し手作業で製作しました。
 けらばは裏甲に車袖瓦、懸魚の奥には木連れ格子が見えます。この部分は皆お約束事の納まりですが、それでもかなり自由なことが出来ます。


木鼻・向拝柱

 拝殿前の柱にかかるのは紅梁で、柱の上は枡組みで軒桁を受けています。
 柱からみて、紅梁の反対側にあるのは木鼻です。その下には長押に釘隠し金物の六曜を打っています。


地板(切り目縁)

 上り口の式台です。
 ここには地松の幅広の板で、古材を使っています。古材なのでもう反ったり縮んだりしません。たまたま手持ちの材料があったので使いました。


虹梁・蛙股

 入口上は二重垂木で内部には桔木を仕込み、軒先の荷重を受けています。
 式台上の天井は格天井にして、虹梁の上に蛙股もつけています。


外陣から内陣を見る

 本堂内の内陣は煤で汚れていましたが、全て洗い工事にて汚れを落とし、床は床組みから新しくし、桧無地板にて張り替えました。
 壁も金紙を張り替えています。地袋も造り替え襖も金捺しにて貼り替えました。

秋田くん
 懸魚に蛙股、木鼻に虹梁、枡組みと大工が細工をしなければならないものがたくさんあり、主任の大工さんも腰を落ち着けて加工してる姿は楽しそうでした。
 半年近くかかりましたが、御住職や総代さん檀家さんの想いが実現できてうれしく思います。ありがとうございました。
現場監督 村上 幸男 
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