アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

注文住宅 古材を使った家

 2001年10月20日、NHK総合テレビ「土曜オアシス」にて、弊社が施工した、Iさんのお宅が紹介されました。
 きっかけは、NHKからある日突然電話があり、「古材を使った住まいを紹介してほしい」との依頼を受けた事からでした。
 Iさんも快く取材協力をされ、全国放送に結びつきました。
 簡単にTV放映の内容をまとめましたので、ご覧下さい。

古材を生かす住宅のリユース

柿沼アナウンサー 古い木造住宅に使われていた古材を新たな住宅を作るときに上手く使っていこうというのが今回のテーマです。
萬田久子さん なんか、民芸調の喫茶店とか、アンティークショップとかで見かけますよね。ああいう感じですね。
柿沼 そうですね、それを私たちが住む一般の住宅の中にも取り入れていこうという動きがあるんですよ。それをみていきましょう。アイ・リポーターは羽塚アナウンサーです。
(中略)
羽塚アナウンサー はい、ここにあるのは、松の古材なんですが、こうした古材は、虫に強い、ゆがみにくいという特徴があります。こうした古材を上手に使って家の建て替えをされた方を取材してきました。今回御紹介するのは、京都のⅠさん御一家です。では、VTRご覧下さい。

Iさんのこだわり

NL(ナレーション) 1年半前に新築したIさんのお宅です。新築の際Iさんはいくつかの条件をだしました。自然素材をなるべく多く使うこともその1つでした。

柿沼 こちらが、リビングですね。木をふんだんに生かしたつくりになっていてすてきですね。
 はい。わたしは、こういうふうな家に住みたかったんですよ。
NL 家の建材の8割は地元京都産の杉です。健康を気遣い塗料の使用を控え、節のある木を採用することで、コストの削減につとめました。
※ ここでいう杉材は、美山町の杉材です

NL 2階の子供部屋です。あえて天井には板を張らず、開放的な空間を実現しました。
NL さらに、Iさんは、以前住んでいた家を解体するときにでた古材をできるかぎり使いたいと考えました。
NL 新しい家には2本の梁が再利用されています。

羽塚 あそこにも1本太い梁が使われていますが、色が他の木と違って黒光りしてますね。
 これは、前の家で使われていたものです。こういうのがあると、なんかほっとするんですね。色合いもそうですし、形もまっすぐじゃないのが気に入っているんですよ。

羽塚 梁を残したいというのが、強い御希望だったんですか?
 そうですね。家を直す前に、あの梁が少し見えていたんですね。昔、機械のない時代にああいうのを使うというのは大変やったんやなあと感じていたんですよ。それで、思い出として残したいと思ってました。

建て替えにこぎつけるまで

NL 解体前のIさんの実家です。築70年の住宅です。そのまま住み続けるには大掛かりな修繕をする必要がありました。
NL 悩んだすえ、Iさんは建て替えを決意しました。「思いでの染みついた古材をどこかに生かしたい」と、Iさんは住宅メーカーをまわりました。

 建て替えを考え出してから、3年くらいはモデルハウスとかをみてまわりました。大手のメーカーさんは、建て替えたいというと、すぐこういう風な図面でコンピューターかなにか規格化されたようなものでばあーーっとだしてくるんです。まえの家がどうこうというのは、全く無視で、『新しい家はこうで、こんだけお金かかります、こういうだんどりで・・・』と、とっとことっとこ進めるんですね。
NL Iさんの訪ねた住宅メーカーの多くは、『古材のような規格にない材料を使うのは難しい』という反応でした。
NL そこでIさんは、みずから家作りについて勉強をはじめました。やがて、ある雑誌で健康に配慮した木の家づくりを実践している設計士の記事を見つけました。Iさんは相談にでかけました。
 建て替えるにあたっては、『ちょっとでも愛着のある古材を生かしたい』と申し上げましたら、むこうのほうも町家を再生するというのを京都でよくやっておられる設計士さんだったので、むしろ古いものを生かすというのをすごい大事にしてくれるとこなんですね。・・・ わたしの提案とか向うの提案とかをあわせて進めていったんですね。

NL 住まいを計画するにあたり、設計士はIさんの希望をこまかく聞きました。どんな家作りをめざしているのか具体的に把握するためです。これまで暮らしてきた住まいに対する経験や思い出・・・ そのほか家族の生活の仕方や考え方、大切にしている事まで詳細に尋ねました。
NL Iさんは、設計士からの質問の紙に思いの丈を綴りました。『家族の交流が自然にできるような配慮が欲しい・・・ 子供は当面独立せず、共通のプレイルームが欲しい』・・・

NL 古材をつかった家を建てるには経験と技術のある職人さんが必要です。Iさんは自分の思いをわかってくれる設計士とともに家作りに取り組みました。

※ この設計士はいつも一緒に仕事させていただいているもえぎさんです。もえぎさんは、新建築家技術者集団京都支部の事務局もされています。
※ また、Iさんの棟梁は小山くんにやってもらいました。小山くんは当時まだ26歳でしたが、年明けしていましたので頑張ってもらいました (^^ゞ
《後半へ続く》
☆☆ 写真提供:日本放送協会 ☆☆
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