注文住宅 京・杉の家・座 I
まちなかにたった小さなお住まい。
でも、『京・杉の家・座』の思いと、お施主さまの想いが凝縮されています。
京都の木をふんだんに使った建物です。無垢の素材を使いながらも、断熱・気密・耐震に気を配ってつくりました。
設計は、『企業組合 もえぎ設計』の小伊藤さん。久々の新築です(^^)
今回は手刻みで加工しました。構造材の梁は京都の美山産です。もえぎ設計さんからのリクエストです。
黒川くんに担当してもらいました。弊社では、新築は年数軒。しかも、今回は手刻みだったので黒川君ご満悦です。
でも…、建て方が大変(^^)。
(写真は、黒川君と桜井君)
というのも、両隣に家が既に建っているので、仕口を入れるのが一仕事でした。
特に東隣は直前に新築。ボルトを差すのに構造材をあっちにずらし、こっちにずらし…
組み立てるのに時間が掛かるのでレッカーは使いませんでした。数センチ動かすと隣に当たるので、細心の注意を払いました。
(写真は、西川君と桜井君)
左が玄関戸。右が自転車とかを入れるスペースの建具です。
一部窯業系サイディングを張っていますが、玄関には杉材の木製建具を使っています。
でも、準防火地域なので、そのために左側に防火壁を作りました。
屋根はGL鋼板桟葺です。
正面奥に玄関引戸が見えています。
床には京都産の杉材をふんだんに使いました。
写真Aの左が台所。Panasonicのシステムキッチンが見えます。
写真Bの左が本棚です。こちらも杉材です。
写真Cから見下ろした階段も杉材です。広くみせるためにオープンにしています。
2Fも開放的に感じるように工夫をしています。
外壁側にロックウール75mm、屋根にもネオマフォームを66mm充填。家全体を断熱被覆しているため、壁を作らず鋳鉄で簡単に袖壁を作っても寒くありません。
さらに、収納量も確保するため、手摺壁Dは本棚になっています。
このように、構造材にも京都府内産材にこだわって新築しました。
京都府では『京都府内産認証木材』を一定量以上使った建物に、緑の交付金(*1)として最大20万円(1万円/m3)を交付しています。今回はこの制度を最大限利用して新築しています。
ご家族の思いをもとに、もえぎ設計さんの工夫で、住まい全体がおおらかにつながる開放的な間取りになっています。
建物の両隣側に窓がとれない制約のなかで、できるだけ自然の光と風が入るように工夫されたのはさすがだと思いました。
お施っさんも気に入っていただいて大満足です。今後もこの経験を生かして良い家造りに携われたらと思っています。
(*1:『緑の交付金』は通称。正式には、ウッドマイレージCO2認証制度を利用した『環境にやさしい京都の木の家づくり支援事業交付金』)