アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

家づくりヒント集 1 ~畳・火袋・建具・外観~

 The House さんに依頼された書籍原稿です。家づくりのヒントになるかとおもい、掲載してみました。
 いずれも、京都や町家特有のこだわりかもしれませんが、参考にしていただければ幸いです。
 出版時は文章をカットされるので、こちらのほうがより詳しくお伝えできるかもしれません。 本も買ってくださいね(^^)  

たたみ・畳

(和室だけではなく、いろんなところに畳を敷きましょう)

火袋・吹き抜け

(開放的なだけではなく、空気対流面でもすぐれています)

建具・間仕切り

(季節によって取り替えられるようにすると快適です)
風の通り道 葦戸の断面
 葦戸を通じて風が抜ける。建具自体が風を通すため、気密性はない。
 そのため、夏障子とも呼ばれる。
舞羅戸と葦戸
 正面は舞羅戸。右側が葦戸。畳敷の和室だけでなく、板間にもよく合う。
 
御簾
 御簾。建具で間仕切らないためお庭が綺麗に見える。
 
葦戸収納
 葦戸を収めるためのスペース。隣はトイレ。

 日本の夏は蒸し暑いので、できるだけ風通しをしたいものです。でも、紙張障子や襖がおさまっている間仕切は、どうしても建具が邪魔になり、風が通り抜けてくれません。そんなときに活躍するのが葦戸です。葭や伊予竹、萩などを糸で編み、簾状にしたものを上下の框溝にはめて作ります。
 プライバシーを確保しつつ、竹の隙間から風と光を取り込むことができるため、夏場には重宝します。日本の夏は蒸し暑いので効果覿面です。外部建具を開ければ、家中を風が通り抜ける事ができます。交通量の多いところでは不向きですが、住宅街だと埃も少ないので安心です。ただ、外部の音も一緒に入ってきますので、床は畳敷きにして吸音させるのがお勧めです。
 新築時に葦戸を一緒に手配されたOさん(京都市上京区30代)はこういいます。
「6月の天気の良い日に夏のしつらえに衣替えします。障子をこれに替えると風だけでなく目にも涼しいです。夏の庭は強烈な日差しを浴びてギラギラしていますが、不思議なことに葦戸を透かして見ると爽やかな感じがします」。
 葦戸をつくるのは、材料によっては少し高価になります。昔ながらの鴨居高(1730mm)だと古建具を入手できるので、設計時に考慮しておくとよいでしょう。葦戸がない場合は、御簾をかけるのも一案です。御簾とは、部屋と部屋の間の長押にかけて目隠しにするすだれの事で四方が絹の文様で縁取りされているものもあります。これなら、ネット通販で購入し、自分で取り付けることもできます。

【建具・間仕切りの設計】
 以下の3点が特に重要です。
 (1) 見付
 地域によって見付幅(枠や桟の幅)が違います。京都では比較的細め。北陸等では太 い事が多いです。小さいお子様がいらっしゃる場合以外は地域の特性に合わせるとよい でしょう。
 (2) 費用
 古建具にあわせて鴨居をいれられれば安価ですが、施主さんの身長が高い場合は困難です。 赤杉や国産の萩を使うと高価になります。モアビを塗装したり、輸入材にしたり、 セイタカアワダチ草で代用すると利口です。
 (3) 保存場所
 家を改修されるときには、夏に備えて、あらかじめ作っておき、秋には片付けられるように専用の収納スペースを計画しておきましょう。建具数枚が収まればよいし、日常ほとんど使われないため、トイレの横に設置。
【建具・間仕切りの注意点】
 (1) 古建具には建て合わせが必要
 古葦戸を購入する場合は、必ず大工さんに相談しましょう。 通常建て合せが必要ですし、取り付けられない場合もあります。
 (2) 敷鴨居にあわせる
 襖溝と障子溝は違います。襖溝に葦戸をつける場合は少し開け閉めしにくいので、敷鴨 居を作るときに遊びを作っておきましょう。
(アラキ工務店 小野敏明)

外観・ファサード

(街並みにあった意匠を考えるとよいでしょう)
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