アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

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町家探訪

6.町家 水毛生家(続)

(石川県野々市町)

 茶室の可夕亭は可夕の雅号を持つ水毛生家15代当主のゆかりの茶室。
白井 とっても可愛らしい茶室ですね。
荒木 一段と柱が細く、下地窓が部屋の割りに大きいですね。
白井 繊細な部分と大胆な部分のアンバランスが楽しいですね。

荒木 床脇の地袋が高い。襖の金箔は布張りになっていて、上の赤い色と襖のくすんだ金と地板の赤とが、部屋のじゅらく色の壁とうまく調和されています。柱も細いですね。
白井 可愛らしいですね。

荒木 壁の湊紙が2段になっています。座ったとき帯がすれないようにしています。
白井 なるほど、砂が落ちないようになっているんですね。
荒木 しかも、石垣貼りになっています。継ぎ目が同じにならないように工夫しているんですね。この貼り方は障子にも活かされています。
白井 心憎いですね。

荒木 土縁と庭と躙口、一の字の手水鉢と織部調の灯篭とがうまく合っています。
白井 世界が扇状に広がっていくようですばらしいですね。

白井 鮮やかな朱色のお部屋ですね。
荒木 長押から天井の板を拭漆という漆を塗ってから拭いてあるんですね。欄間は中国故事にある竹林をあらわしていて厚みが6cmぐらいあります。

白井 歌を作る人だと、どんどん歌が生まれそうな空間ですよね。
水毛生 お茶のお客様がここにお座りになって、和敬清寂とはこのことだったのかとおっしゃいました。

白井 さまざまに工夫を凝らした土縁と、おちついた路地庭が大変調和してゆったりとした気分にさせてくれました。そんな空間でお茶をいただき、庭という宇宙を眺める、なんともいいもんだなとつくづく思いました。

30分番組のため、一部省略して掲載しております。
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