アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

町家補修の適正価格(目安)

 京町家の手入れは6万円/㎡ほどでできます。
 (瓦を入れても7万円/㎡ほどです)
 
 手入れというのは、建物本体を、建てられた時(約100年前)の状態に戻す工事です。
 
 京町家が昔のまま残っている場合は、だいたいいつもこれくらいの費用をかけて直しています。
 (実際には、看板建築に改造されていたり、和室が洋室にリフォームされていたりするのですが…)
 
 価格には、以下の内容が含まれています。

京町家 間口3.6m 奥行10.0m 延床22坪
名 称 数量 単位 金 額
構造材のレベル修正 1  
耐震補強金物による材の接合 1  
床下全面やりかえ(大引・根太・下地材 等) 1  
柱・束の根継 1  
壁の塗替え 1  
襖・障子の張替 1  
建具まわりの調整(建て合せ、補修) 1  
畳の表替え(裏返し) 1  
瓦差替え、棟の積替え 1 (屋根込の場合)
土の入れ替え、下地調整、庇の補正 1 (屋根込の場合)
合  計 6万円/㎡
屋根込の場合 7万円/ ㎡

 簡単に言うと、「工事をしたようだが、何処を直したのかぱっと見てはわからない」ような工事です。(笑)
 もちろん、壁とか畳とかはわかりますけど、縁の下とか屋根裏とかはわかりません。そうしたところを補強・補修することで、50年たったら価値がわかるような仕事を心がけたいと思っています。
 
 この明細をみてわかるとおり、設備機器や、電気・ガス・水道といったライフラインの整備は含まれていません。
 
 また、蟻害がひどかったり、隣家がマンションに建替えられて家全体が傾いたりした場合は、別途相応の費用がかかります。
 
 現代の生活では、「暗い・寒い・危ない」といった問題点を解決しないとなかなか快適とは思っていただけないかもしれません。天窓を開けたり、断熱材を入れたり、キッチンを引出式にしたりです。
 ただ、町家本体は、職人さえいれば、これくらいでできるというのを頭においていただければ幸いです。

この価格で施工する条件
 古いお住まいの施工実績のある大工さんが必須です。
 
 最近の住宅では、坪単価の制約や、設備に費用をかける風潮から、大工さんの手間代をできるだけ抑えるような見積もりが主流になっています。
 そのため、一般の建売住宅では、大工道具は不要です。(残念ですが…)
 
 電動工具だけで組み立てられる住宅が大半になってはいますが、大工道具が使える大工さんをがんばって探していただくことが大事です。
 
 また、町家の構造をよく知っている監督さんがいたら、なお良いと思います。
 
 町家の改修をするためには、変に体力壁をつけたり、荒壁下地を撤去したりするとあとあと大変です。
 
 「昔の状態に戻す」だけなので、特に設計は不要なのです。でも、左官・塗装・板金といった関連業者さんに適切に指示をだせる監督さんを見つけるのも大事だと思います 。
 たとえば、町家の出格子をオイルペンキでテカテカと塗ったりすると、5年も経たないうちに剥離してきます。ちょっと材料を塗装屋さんに指示できれば、そういう問題もなくなるのです。
別途費用がかかる場合
 設備機器・ライフライン以外にも、床下に防空壕があったり、蟻害が予想以上にひどかったりした場合は別途費用がかかります。
 
 また、屋根も補修程度でできる場合が多いのですが、あまり手入れをされていないお住まいの場合、瓦の継ぎ手から雨が進入し、垂木や野字板が腐っていることもあります。そうなる前に手を打つのが大切だと思います。
 
築100年以上経ってるけれど大丈夫?
 正しい補修をすれば、ずっと住み続けていくことができます。
 
 ただ、新築と違いますので、生活していくうちに、瓦がずれたり、虫が入ったりすることもあります。住まいは生き物です。人の体と同様、定期的にメンテナンスしていけば、お孫さんの代まで住み続ける事ができると思います。
 
 ここが、町家のいいところです。
 
町家改造のポイント(竹屋町 I邸の事例)
 
 改造というより、むしろ補修・復元といったほうがふさわしい工事となりました。
 街路側の腰壁はタイルばりでしたが、栂材の総羽目板ばりに、アルミサッシに変えられていた玄関戸は格子戸に変えました。これで表構えのイメージがずいぶん変わったと思います。
 
改修前
改修後
 同じように、1、2階の庭に面したガラス戸もアルミサッシになっていたので、古い檜の木製ガラス戸に。台所の水まわリはタイル張りの流し台をガスレンジと一体化したステンレス・シンクに変えました。
 また、床が大きく傾いていたのでジャッキアップして、壁の塗替え、襖や障子、畳表の張替など補修しました。
 『補修・復元』とはいっても、やはり書斎として椅子の生活ができる部屋を一つ希望されておりましたので、畳をフローリングに変え、古民家で使われていた松の梁を机の天板に利用して据え付けました。
 

1階中の間を玄関の間より見る。
左手の板間は下に収蔵庫があるわけではなく、配膳のためにつくられたようだ。
奥の庭からこぼれる光が美しい。
 
☆☆ 写真提供:太陽2000年11月号 ☆☆
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