アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

4.システムキッチン工事の適正価格

 システムキッチンというと、「今ある置き流しを捨てて、新しいのをぼっと置くだけ」と思っている方も多いと思いますが、組立・水道・ガス・電気等々、いろいろと経費がかかります。
 ちなみに、人造大理石の天板で、食器洗乾燥機を組み込んだ、一般的なグレードで見積もってみましょう。
 今回も、一番簡単で余分な費用の要らないパターンでみていきましょう。以下の[前提]で考える事とします。

キッチン本体工事のみですむ場合

  1. 外壁は触らない。窓は解体せず、既存のものをそのまま生かす。
  2. 既存のタイル壁もそのまま。給水跡はプラグ止。
  3. 既存の躯体は触らない。土台・柱は腐朽していないものと仮定。
  4. キッチンは撤去したのと同じ位置に新しいものを取付。
  5. 床や天井は工事の対象外。調理器具はガスのまま(IHにしない)。
A:置き流しをシステムキッチンに変更(同じ大きさで入替)
名 称 数量 単位 単 価 金 額
養生 跡片付け 発生ガラ処分 1   8,000円
既存流し台撤去・処分 1   15,000円
既存給水・給湯 撤去 給水管プラグ止 1   10,000円
既存ガスコンロ取り外し ガス管止栓 1   12,000円
解体工事 小計 45,000円
システムキッチン 幅2,550mmⅠ型
定価1,200,000 (業者が得意なメーカーの場合)
1   480,000円
タオル掛、米びつなど付属品 1   30,000円
キッチンパネル       施工しない
カップボード       施工しない
取付施工費(販売価格の15%程度) 1   77,000円
本体工事工事 小計 587,000円
電気工事 流し元灯、換気扇接続 1   20,000円

水道工事 給水管・給湯管立上

3 ヶ所 20,000円 60,000円
  〃   混合水栓・食洗器接続 1   12,000円
  〃   排水管接続 1   8,000円

ガス工事 配管、立上

1   20,000円
  〃   ガスコンロ取付、試運転共 1   12,000円
タイル工事 タイル一部補修 1   30,000円
大工工事 床・壁一部補修 材料共 1   20,000円
ハウスクリーニング 1   20,000円
その他工事 小計 202,000円
雑費・諸経費 1   66,000円
合    計(A) 900,000円

 まず、システムキッチン本体ですが、ほんと値段はピンきりです。(^^ゞ
 1セット定価50万のものから定価300万のものまでさまざまです。扉の材質・コンロの種類・食洗器の有無・水栓の種類・レンジフードおていれらくらく・ケコミ収納・調味料入・電動昇降吊戸棚・引出ソフトクローズ・人造大理石シンク・浄水器等々これでもか! というくらいに選ばなくてはならないものが多く閉口します。なんせシステムキッチンのメーカーは10社以上あり、毎年のように新製品がでてくるからです。  
 参考:京都ショールームマップ
 
 ただ、「高級品ほど値引いてくれない」ということは覚えておいたほうがいいでしょう。
 メーカーにもよりますが、定価からどのくらい引けるかというと通常40%~60%程度になります。しかし、特殊なものを頼むと20%~30%しか引いてくれません。(>_<)
 たとえば、システムキッチンと揃いの冷蔵庫とか、電磁調理器とか、無垢材の扉とかといったようなものです。同一メーカーでも複数グレードのキッチンを販売している場合がありますが、高級なグレードほど値引きが悪いです。
 また、「工務店の得意とするメーカーの品を選ぶ」ということも覚えておいて損はありません。
 弊社の場合、よく使うのはPanasonic・ノーリツ・LIXIL などです。安く仕入れられるからだけでなく、沢山買っていると何かと融通が利きます。特殊な収まりに対応してくれたり、無理な納期にあわせてくれたり、○○期間切れでも無料で交換してくれたりといったメリットがあるからです。
 システムキッチン本体の最後に取付施工費が入っております。「持ってきておくだけじゃないの?」と良く言われます。(^^ゞ
 置き流しと異なり、バラバラで納品されてくるのでどうしても組み立てが必要なのです。また、吊戸棚は壁に下地をして吊らなければなりませんし、床が痛んでいる場合は、大引・根太のやりなおしといったこともあります。
 大体、本体価格の10~15%程度みておく必要があります。


 さて、上の表の値段で済めばいいのですが、実際施工すると、残念ながらこの金額を上回る場合が多いです。

タイルをめくってキッチンパネルを張りたい

 長年の使用でタイルが汚れたり割れたりしていると、せっかくキッチンが新しくなっても、いまひとつです。
 また、タイルが後張りの場合、置き流しを撤去した後に、キッチンがきれいに収まらないこともあります。

B:壁張替
名 称 数量 単位 単 価 金 額
既存壁面解体 タイル下地共 1   30,000円
プラスターボード12.5mm 下地共 1   10,000円
窓枠 WPB 1   18,000円
見切縁・額縁・下地補修材 1   10,000円
大工手間 コシラエ・取付 2 人工 24,000円 48,000円
釘金物材料 1   2,000円
グラスウール t=100 24kg 充填手間共 1   12,000円
キッチンパネル 施工部材共 1   35,000円
   〃    取付手間 1   20,000円
雑費・諸経費 1    15,000円
合    計(B) 200,000円

 昔のタイルは「だんご張り」で施工されていることが多く、表面に一定の凹凸があります。タイルをめくらず、左官下地処理の上キッチンパネルを重ね張りすることも可能ですが、部屋がどんどん狭くなるのであまりお勧めしにくいです。
 せっかくなので、いったんタイルをすべて撤去し、下地からやり直すことをお勧めします。そうすると、グラスウールの充填ができたり、柱や土台の傷みを修繕したりすることもできます。また、古いお住まいだと、建物が地盤沈下等で若干傾いていることがありますが、壁を一から作り直すと、垂直に施工できますので、仕上がりがきれいになり後悔しないと思います。

床下の給排水管を一新したい

 置き流しが設置されている住宅では、給水管が鉄管だったり、排水管が土管だったりします。汚水枡もコンクリート枡で穴が開いていることも多々あります。

C:給排水管取替
名 称 数量 単位 単 価 金 額
給水・給湯配管取替 1 30,000円
排水管入替、枡取替 1 60,000円
雑費・諸経費 1    8,000円
合    計(C) 98,000円

 せっかく、キッチンの下を点検する事ができるので、どうせなら後々トラブルがおきないよう、この機会にできるだけライフラインを一新されたらと思います。
 特に、漏水は建物によくありません。枡に穴が開いていたら、床下が湿気てカビが生える元になります。工務店さんと信頼関係ができていたら、見えないところにこそ費用をかけるようにすれば、住まいを長持ちさせることができると思います。


 このように、キッチンがきれいになると、部屋の中でキッチンのある一角だけが新しくなるため、上記以外にもいろんなところが気になってきます。

  1. 床が古くて寒い。せっかくなので、床を張替え、床下に断熱材を充填したい。
  2. 壁が合板ベニヤ張りになっている。べこべこしてるので、壁紙に張り替えたい。
  3. 天井がジプトーン(白くて穴が開いている石膏板)で、油汚れがひどい。上から塗装したい
  4. いろんな電気・通信配線が露出であちこちに取り付いている。全部隠してすっきりさせたい

 ですので、キッチンを入れ替える前に、自分で部屋全体をイメージし、何をして何をしないのかを整理しておいたほうがよいと思います。
 もし、あまり部屋を大々的に改修しないのであれば・・・
 
 個人的意見ですが置き流しで充分かもしれません。だって、置き流しだと、

  1. フルセット揃えても、30万円だしてお釣りがくる
  2. 入れ替えの時、水道・ガス工事が要らない
  3. 既に組み立てられてくるので、組み立て施工費が要らない

ですからね。
 もちろん、天板が1枚じゃないし、収納量も劣るし、おしゃれじゃないけど、その分他にお金をかけることもできます。
 これだけ、多くのメーカーがシステムキッチンやりだしてるのは儲かるからではないでしょうか。だって、高いキッチンでも裏は普通の合板だったりしますから……

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